肉体は滅びても文学は不滅です。頭城の作家、李栄春は太平洋戦争を経てふるさとの小さな街に帰ってきました。彼は、家庭を持ち子孫を残すというしきたりにとらわれず、日雇いの仕事で食い扶持を稼ぎ、筆を執り続けました。ところが、李栄春自身の物語はほとんどの人に知られていません。李栄春に見守られて育った甥の李鏡明さんはそのおじの作品を世に広めよう働きかけています。頭城鎮はこの偉大な作家を偲び、旧頭城小学校の宿舎を頭城鎮史館に、のちに李栄春文学館として整備しました。ぜひ、文学館まで足を運んで、作品を読んだり古い写真を眺めたり、李栄春が執筆したこの小さな町の暮らしに思いを馳せてみてください。